アルミ押出形材の特徴を120%活かすための断面設計
アルミ押出形材の魅力は、なんといっても形状の自由度でしょう。
角パイプ1つを取ってみても、鉄やステンレスの角パイプは規格が決まっており、規格外のものは通常入手できません。しかし、アルミ押出形材の場合は比較的低価格で、独自の形状のものを作ることができます。
当社では、下の写真のように様々な形状のものを設計してまいりました。
サイズ違い、肉厚違い、角に丸みをつけたもの、中にパイプを入れて補強するためのリブを付けたもの、ビス留め用の穴を付けたもの、ヒレを付けたもの、裏板を入れる溝を付けたものなど、様々なタイプがあります。


当社では、アルミ押出形材の特徴を120%活かすための断面設計を行っています。
設計の仕方によって、機能・見栄え・コスト・強度が大きく変わるため、断面設計は非常に重要です。
どのような点に留意して設計しているかを、いくつかの例を交えて紹介します。
断面設計の事例紹介
ご覧の通り、様々な断面形状のアルミ材があります。
断面の大きさの上限は、1形あたり約250~300㎜(形材最大外接円)のものまで押出可能です。
中空タイプからソリッドタイプまで、様々な用途に応じて設計されています。
当社で使用している形材のほとんどは、港製器オリジナル断面です。これにより、独自の開発設計が可能であることが、当社の強みです。
目隠しウッドフェンス『スーパーフェンス』のコーナー柱
押出し可能サイズより⼤きいものを設計する場合は、形材を嵌め合わせて大きくすることができるように設計します。また、使用する場所に応じて形状を変えれるような設計も可能です。
こちらは、当社の目隠しウッドフェンス『スーパーフェンス』の自在コーナー柱です。
3つのパーツを組み合わせることで、自在に形を変え、角度を調整することができます。



ビス留め用のタッピングホール
こちらは、ビス留め用のタッピングホールをつけたものです。

タッピングホールがあれば、直角に組む形材に穴を開け、そこにビスを差し込むことで、形材同士を簡単に固定できます。また、ネジを切る工程を省くことができるため、コストダウンにつながります。
鉄やステンレスの場合は、別途ブラケット金具を準備したり、溶接したりする必要があります。

伸縮門扉の事例紹介
伸縮門扉の落し棒ケース
こちらは、当社の伸縮門扉の落し棒ケースの例です。
中空部分はできるだけ肉厚を薄くして、重量を軽減しています。
単純に薄くするだけでは強度が弱くなってしまうため、中間に2ヶ所の柱を設けて強度を確保しています。
また、両端の2ヶ所のみ肉厚が厚くしています。
ここに穴を開けてビス留めを行いますが、必要なネジ山を確保できるよう、該当部分の肉厚を適切に上げています。
全体の肉厚を厚くすると重量が増加してコストも上がるため、必要な部分のみ肉厚を厚くしています。

伸縮門扉に使われている袖框部材の断面
当社製伸縮門扉に使われている袖框部材の断面(溝付きⅠ)では、伸縮門扉の門柱と本体をつなぎ、回転用のヒンジを取り付けます。そのヒンジを固定する裏板を入れるための溝を形材設計に採用しています。
伸縮門扉の戸当たり柱の断面(溝付きⅡ)では、受け金具の裏板を取り付けるための溝と、落とし棒を組み込むための溝を採用しています。また、伸縮門扉の裾凸框を受けるため、全体に大きく凹ませています。
このように、アルミ押出形材は溶接や切削加工を行わなくても、押出形材そのものに機能を盛り込むことができます。

伸縮門扉の組立断面
別の当社製伸縮門扉の組立断面です。
アルミの断面形状を工夫することで、袖框と縦桟を嵌め込んでいます。
ビス留めや溶接を行わず、断面形状だけしっかりと組み合わせています。
縦桟に縦桟カバーを被せ、組立用に開けた穴やビスを隠すことで、意匠性を向上させます。
これも同様に、断面形状の工夫による技術です。

強度の必要なレール部材は、アルミの肉厚を増すことで、必要な強度を確保します。
ただし、余分な部分は中空にしたり、部分的に肉厚を薄くするなどして、コストを抑えています。

フラット部分に山や溝を付けることで、模様を施すことができます。
※傷などを目立ちにくくする効果もあります。

当社では、これまでに1,000を超えるアルミ押出形材の断面設計を行っており、
ここで紹介しきれないほど多くの断面設計に関するノウハウを蓄積しています。
お悩みがあれば、ぜひ当社にご相談ください。