事例1:アルミの質感を生かした表面処理方法
工芸品の展示に使用するアルミ製展示台の製作に関する問い合わせをいただきました。当初は樹脂成型品での製作も視野に入れておられましたが、質感や重量感の観点からアルミ製をご希望とのことでした。アルミの削り出しで製作するとコストが高くなるため、アルミ押出形材での製作を提案し、採用されました。表面仕上げについては、均一な見た目をご希望されており、当初は塗装での仕上げを希望されていました。アルミ押出材は製作上、一定方向に押出痕が発生することがあります。塗装はその押出痕を隠す方法として考えられていましたが、その場合、お客様が本来希望していたアルミの質感が失われてしまいます。ここは妥協せざるを得ない状況でした。そこで弊社から、アルミ押出形材のマット処理を提案しました。マット処理とは、アルマイト前処理として化学的に表面を粗くし、梨地にする方法です。これにより押出痕を目立たなくしつつ、アルミ本来の質感を残すことができます。さらに、塗装や物理的に表面を粗すサンドブラストに比べ、コストを抑えて加工できる点もメリットです。この低コストかつアルミの質感を残す提案に、お客様には大変ご満足いただけました。
事例2:高所作業用部材の改善例
高所作業で使用する金物についてお問い合わせをいただきました。お客様は現在、小ロットで製作している仕様のまま量産を検討され、複数社に見積もり依頼をかけていました。見積もり依頼を受けた段階で、現在の仕様よりもより適切な仕様を検討できる可能性があると判断しました。そこで使用目的や使用条件についてヒアリングを行い、お客様がまだ認識していない課題も含め検討した結果、商品化には材質・形状の変更が必要であると判断しました。現在の仕様での見積書と同時に新仕様での図面・見積書を提案しました。提案内容はフラッドバーをコの字材に変更、ボルト止めをマグネット接着に変更などです。高所での施工が必要な商品とのことで、フラットバーからコの字材に変更することによるたわみの軽減、ボルト止めからマグネットでのワンタッチ脱着への変更で、施工性の大幅に改善ができました。材料費は従来よりやや高くなりましたが、施工性の向上により製品品質を高めつつ、トータルコストを下げることができました。
事例3:板金のフレーム枠をアルミ押出材に変えた事例
現在、板金で製作されている箱形状のフレーム部の改良についてお問い合わせをいただき、早速訪問して用途や形状のヒアリングを行いました。ヒアリングの内容から、断面を自由に設計できるアルミ押出材が適切であると判断しました。アルミ押出材を使用すると、断面形状にビスホールや挟み込むパネルが外れにくくなるカギ爪形状を組み込むことが可能です。ただし、板金からアルミ押出材への制作方法変更には金型費が追加で発生します。お客様も金型費は極力抑えたいとのことでした。そこで、生涯使用数をお伺いし、板金での制作コストと比較しました。その結果、投資した金型費は約8ヶ月後に回収可能であることが判明。アルミ押出材への変更により、施工性を向上させつつコストを抑えることができました。
事例4:大型断面の分割製作事例
大型の製品をアルミ押出材で製作したいというご依頼をいただき、訪問して用途を詳しくヒアリングしました。お客様の用途は、ディスプレイ用の部材とのことでした。社内に持ち帰り、技術開発と打ち合わせた結果、アルミ押出材を2分割して製作する方法が適切であると判断しました。大型のアルミ押出金型は通常割高ですが、2分割しても金型費はほぼ同程度で収まりました。また、大型のアルミ押出材は材料費が高くなるため、金型費・製品代を含めたトータルコストを比較すると、分割方式の方がコストを抑えられることが分かりました。分割方式にすることで、組み合わせによる設置方法の変更が可能となり、使い方のバリエーションも増加。この提案に対してお客様は大変喜んでくださいました。